先日劇場版仮面ライダーセイバー/仮面ライダーゼロワンを観てきました。 例年だとの前作と現行作のクロスオーバーとなる冬映画ですが 今年はコロナ禍で製作状況に影響が出たこともあり、 別々の作品として上映されることになりました。 例によって感想を書いていきます。
【仮面ライダーセイバー】
セイバーは約20分の短編作品。
冒頭でバハトが出てきてワンダーランドと現実世界の崩壊が始まる
→セイバー達6人の仮面ライダーが変身して立ち向かう
→バハトが変身した仮面ライダーファルシオンに苦戦するセイバー
→パワーアップしてファルシオン倒してワンダーランドも現実も元に戻ったよ
と、短い時間に話を詰め込んでいるからテンポが凄く早い。
「え、もう終わったの?」って思ったのが正直な所。
しかし冒頭でタッセルの状況説明とバハトを倒すというシンプルなストーリーで話の内容や流れは理解しやすかったし、本編の半分以上が戦闘シーンだったので観ていて退屈せず、楽しむ事ができました。
6人のライダーが一斉変身する所はかっこよかったし
アクションシーンもそれぞれのキャラクターがどんな技や能力を使っているか分かりやすくてよかったです。
あとエンディングでそれぞれのキャラの様子が一人ずつ描かれてるのが観ていて楽しかったです。
今回ゲストキャラとして登場するバハト/仮面ライダーファルシオンを演じる谷口 賢志さんは「仮面ライダーアマゾンズ」で鷹山 仁/仮面ライダーアマゾンアルファを演じたことで有名ですが、今作でも中々の狂演でした。
叫んでるシーンもアマゾンズで叫んでるシーンを思い出してしまいました。冒頭で足元の草花が枯れていくのを見てアマゾン細胞撒いてるとか思ってしまった。
中々いいキャラしてたので今後再登場して欲しいけど無理かしら・・・。
あと最後に封印の本?が出てきたけどTV本編での伏線だろうか。
【仮面ライダーゼロワン】
ゼロワンは60~70分位の夏映画並みのボリューム。
コロナ禍で上映中止となった夏の劇場版の脚本を一部描き直して完成したのが本作だそうです(物語の大筋は変わってないらしい)。
ストーリーは謎の男・エスが率いる集団が全世界でテロを起こしてそれに或人やAIMS、滅亡迅雷.netといった面々が立ち向かうという内容。
冒頭でいきなりゼロツーとエデンの戦うシーンから始まり
街中で暴れる仮面ライダーアバドンの大群とそれと戦うA.I.M.Sや不破達…
と、「世界滅亡まで60分」というタイムリミットの中奔走する登場人物の疾走感がすごく伝わってきました。
テレビ本編では人間とヒューマギア(AI)との関係性や共存していく事ができるかというテーマが描かれていましたが、今作では本編で戦っていた滅亡迅雷.netの面々と協力・共闘する様子や野立 万亀男の尋問(という名のギャグパート)にヒューマギアの面々が協力するなど「人間とヒューマギアは共存していく事ができる」というアンサーが描かれていたように感じられました。
加えて今作では敵がナノマシンやアバターというテクノロジーを使用してきて主人公達も通信機器(ZAIAスペックでよかったのかな?)や解析技術を使って対抗・真相究明していきますが、「テクノロジーは使う人間次第で善にも悪にもなる」という事も描きたかったのかなと思いました。
イズが旧イズの記憶を引き継いで或人を助けに来るシーンやエスの目的が実は死んだ恋人の事を思ってだった…など色々感情に来る場面も多くありました。
イズの記憶が戻った(正確には旧イズのデータを引き継いだ?)のはご都合主義的な所もあるかもしれませんが誰かの命令じゃなくて自分の意志で、しかもゼロツーに変身して或人を助けに来たというだけで心を打たれました。
戦闘シーンはバイクアクションや一斉変身シーンなど文句無しの出来でした。
CGを使ったシーンもメタルクラスターホッパーのバッタでエデンの体を蝕んでいく様子や体を破壊されても即時再生するエデンなど、演出や使い方がよかったです。
そして終盤の或人が変身したゼロワンとイズの変身したゼロツーの共闘も主題歌が流れながらの戦いで凄く盛り上がりました。
あと、或人を演じる高橋 文哉さんの苦しんだり叫んだりするシーンの演技が凄かったです。本編でも
・体に負担の掛かるメタルクラスターホッパーへの変身
・飛電インテリジェンス買収で会社を去る事に
・新しく立ち上げた飛電製作所が木っ端みじんに
・戦いの中、イズが破壊されてしまう…
等、心身共にハードな目に遭ってますね或人社長…。
細かい所を突っ込むと
・アークやアズはまだ活動続けているよね(Vシネや小説版で補完されるのかな)
・今回の事件の切っ掛けってアークが原因でナノマシンが暴走した事だから、
大元辿れば天津亥のせいだよね
といった点もあります。
しかしそれを押しのけるくらいの疾走感やパワーに溢れていて観てよかったと思える作品になっていました。
あと或人がみんなの事を思うシーンで天津がしっかり映ってて「ちゃんと仲間と思われてるんだね」と思って変な笑いが出た。
【疾走感のある2本立て】
両作とも感想に「疾走感がある」とか「勢いがある」って書いてますが、それだけハイスピードなテンポで物語が進んでいき、話に引き込まれていきます。
特にゼロワンは本編を最後まで観た人には是非観てもらいたいです。
今回はいつもの冬映画と違いゼロワンとセイバーの共演はありませんでしたが、こちらもいつか共演が実現するといいですね。