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「仮面ライダーオーズ10th 復活のコアメダル」を観てきたので感想 ※ネタばれあり

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仮面ライダーオーズ10th 復活のコアメダル」を観てきました。近場の映画館でやってないので観るのが遅くなりましたが、4月頭に観てきました。感想書くの遅いのは忙しかったりメンタル死んでたせいです(映画の結末のせいじゃないよ、念のため)。

そんなこんなで感想です。ネタバレがっつりしてるので、未見の人やネタバレ嫌な人はブラウザバック推奨です。

 

 

私のオーズ視聴遍歴

 

まず私のオーズ視聴遍歴
・オーズ本編は数年前に視聴済み(放送当時のリアタイ視聴はしてない)
・映画はMOVIE対戦CORE、将軍と21のコアメダル、MOVIE対戦MEGAMAX、平成ジェネレーションFINALを鑑賞済み
・小説版は劇場版行くちょっと前に読んだ

これを踏まえて書いていきます。


映画の簡単なあらすじ


・冒頭でアンクが本人にも理由がわからないまま復活する
・倒したはずのグリードに加え800年前の王が復活して暴れまわっている
・比奈ちゃんたちがレジスタンスとして戦っている、アンクは再び泉信吾に取り憑く
・戦いの中、アンクと映司が再会。映司は詳しい事は比奈ちゃん達に聞いてと言い立ち去る
・アンクが比奈ちゃん達に話を聞くと、800年前の王とグリードが復活した事、映司が800年前の王と戦った事、戦いの中女の子を庇い攻撃を受け、行方不明となっている事を知る
・再び映司と再会するアンクたち、しかしその正体は映司ではなく人造コアメダルから生まれたグリード・ゴーダだった
・映司は800年前の王との戦いで瀕死の重傷を負った。現在はゴーダが映司に憑依する(体を乗っ取っている)事で何とか生きている状態
→つまり予告の映像や本編で映っている映司の中身は殆どゴーダ
・ゴーダの望みは映司として生きる事。アンクたちは王を倒すためゴーダと協力関係を結ぶ
・800年前の王を倒す事に成功した後、王が取り込んでたメダルをゴーダが吸収、仮面ライダーゴーダとなりアンクたちを裏切る
・映司の意思がゴーダに抵抗した事で、ゴーダが映司の肉体を切り離す
・映司の肉体にアンクが取り憑いてオーズ タジャドルコンボエタニティに変身、ゴーダを倒す
・最後、映司が自分の体からアンクを追い出す
・映司、みんなに看取られる中自分が助けた女の子が無事なのを確認して息を引き取る


この映画一番の賛否両論点 結末について

この映画が一番賛否両論となっている点、主人公:火野 映司が死ぬという事について。
映画を観る前にうっかりネタバレを踏んでしまった(マテ)のと、観てきた人の感想が「受け入れる事ができない」というものが多く、見る前から戦々恐々としていました。

で、実際に見た感想としては思っていたより受け入れる事ができました。

ます死因、というか瀕死の重傷を負った原因が女の子を庇って重傷を負ったという事だけど昔紛争地域で目の前で女の子を助ける事が出来なかったという経験をしてる映司なら目の前の命を助けるよねという。ここは多くの視聴者側も同意できると思います。

じゃあ映司を死なせる必要があったのかというと、死なせない展開もできたと思います。例えば瀕死の映司にアンク取り憑いて「映司が目覚めるまで今度は自分が待つ番だ」とか言って終わるとか。実際終盤で映司に取り憑いてるし、シナリオ上可能であります。

でも「今回はオーズ「完結編」なんだ」「このお話でオーズは終わるんだ」と考えた時、また映司とアンクが再会するのを待つ終わり方にするのはちょっと違うよねっていなるかもしれない。「仮面ライダーオーズ」という作品を終わらすにはこの二人が再会して完結という形を取らないといけない。
加えて映司が「女の子を助けれらなかった経験」を両立して補完するにはこの終わり方になるのかな、と思いました。

キャッチコピーの「いつかの”明日”に手がとどく!」っていうのは
アンクの事だけじゃなくて「昔、あの時の女の子を助けられなかったけど、今度はちゃんと助ける事ができた」。そういうダブルミーニングになってるのも凄いなと思わされました。

 

ただ、やっぱり主人公が死ぬという終わり方に抵抗があるのも確かな訳です。

・わざわざ死なせる必要があったのか
・映司とアンク、比奈ちゃんが一緒にいる「明日」を見たかったのに
・10周年という盛り上がるタイミングで何て物作ってくれたんだ
・本編で敵であったドクター真木の「人の人生は終わって初めて完結する」という考えの肯定になるのでは
等々、SNSとかで色々批判やお気持ち表明されている方もおられます。

もし、この作品が放送終了直後に製作・上映されたものであればここまで賛否両論になってないと思います。
この作品を発表・公開した時の状況・タイミングが

・「仮面ライダーオーズ」という作品の人気の高さ
・MOVIE対戦MEGAMAXで未来でアンクが復活する事が確定している事
・ファンの多くが映司とアンクの再会(が描かれるお話)を望んでいた事
・近年も平成ジェネレーションFINALやジオウで映司やアンク、比奈ちゃんがオリキャスで出演する機会があった事
・新型コロナや世界情勢で世間が暗い雰囲気だった事
・オーズ10周年という記念すべきタイミングだった事
・「オーズ完結編」や「いつかの”明日”に手がとどく!」という否応にも盛り上がる宣伝文句とキャッチコピー

と、いろんな事象が重なっていたためここまで大きな賛否両論になったのだと思います。実際、当時リアタイ視聴してたという人でこの結末を受け入れがたい人は多いと思います。

 

製作側の覚悟と「オーズ」としての終わり方


一方で、作る方も映司を死なせる終わり方にしたのは相当の覚悟があったのではないでしょうか。
今回Vシネマという1時間の作品ではあるけども、製作には相当な労力が必要となる訳です。(映司役の渡部 秀さんがずっと各所に呼びかけや企画提案の働きかけをされてきたそうです)
いくらオーズが人気とはいえ、10年前の作品の続編を作るより現行や直近のスピンオフやVシネマを作る方がセットや撮影場所も用意しやすくて作りやすいし、集客が見込めると思います。(実際はキャストの都合が付かないとか作品ごとの人気度もあるから一概には言えないでしょうけど)

そんな中、当時のスタッフやオリキャスを集めて製作できる事になった。
その結末が「主人公の死」というのは相当の覚悟が無いとできないと思います。
パンフレットのキャストインタビューでも賛否両論の感想になると思うと話されております。

平成ライダー初期と比べて近年は集合映画が作られたり、オリキャスが出演する機会も増えているから「仮面ライダーシリーズ」としては映司を生存させる終わり方にした方が色々都合がいい事が多いと思います。

けれども「仮面ライダーオーズ」という作品単体で見た場合、アンクと再会を果たし、映司が昔できなかった望みを叶えて(補完して)終わるこの終わり方が美しいのかなと思いました。

 

登場キャラクターについて

 

登場キャラクターについて本編から続投の人物については
「そうそう、こんなキャラだったねー」と思い出す事ができました。

比奈ちゃんが怪力だったり鴻上会長の話し方のテンション、伊達さん後藤さんの掛け合いなど、オーズずっと観てなかったけど「そうそう、みんなこんなキャラだった!」と感じる事ができました。
昔と変わっていなかったり、「10年後の〇〇」というのがスッと入ってきました。

今回映像作品で詳しく描かれる800年前の王も小説版のイメージとぴったりでした。

新キャラのゴーダも映司の顔をしていながら別の存在って感じがするのがよかった。
アンクに「「歌は気にするなって」言ってよ」とか「これがやってみたかった!」とか
映司の顔と口調で言うんだけど、いつもの映司とはどこか違う雰囲気なのが正体分かるまで不気味でした。渡部さんの微妙な演じ分けが凄い。

ライダーについては本編で消滅したプトティラが再び登場した事、それが王を倒すという重要な場面で使われたのもよかったです。
新フォーム・タジャドルエタニティも
・アンクが映司に取り憑いて変身するという今までやっていなかった展開
・本編最終回のタジャドル変身と対になる演出
・止めのキックの際、一緒に映司が映る
と、完結編でしかできない熱い展開が盛り沢山でした。

バースも伊達さん後藤さんのダブル変身や終盤のバースX登場など盛り上がったけど、もうちょっと活躍見たかったなー。


不満点とか

 

不満点を言うなら、内容に対して本編時間が短いです。
まず800年前の王が蘇った理由とか人造コアメダルが映司の体内に取り込まれた理由とか、おおまかな説明だけで詳細が分からない。
これについては話の焦点をアンクの復活と映司の死に話を集約していているからだろうけど、もっと説明が欲しかったなー。
ただオーズの場合「また鴻上会長がなんかやったんだろーなー」で全部説明付きそうなのが何とも…。(しかも今回主人公が死ぬという結末)

次にグリードのみなさんの出番が

・冒頭のレジスタンスとの戦闘
・人間体で集合
・ウヴァが映司(ゴーダ)たち襲撃するも返り討ちに遭いコアメダル1枚の状態に
・業を煮やした王にグリード全員が吸収されてしまう

と少なすぎる。

ここを例えば
・ウヴァが返り討ちにあったので今度は全員で戦いに行く
・全員でオーズに挑むも中々倒せず、業を煮やした王がグリード全員を吸収してしまう

とかにすればもうちょっと活躍場面も見れたんじゃないかなと思いました。

バースと新形態バースXも出番が終盤のゴーダ戦だけなのも勿体なかった。
ただ、終盤に伊達さん後藤さんのダブル変身持ってきたのと終盤に新形態登場は盛り上がる展開だったから、ここは一長一短かな。

予算と本編時間の制約があるからだろうけど、せっかくオリキャスが勢揃いしているなら本編時間をもうちょっと増やしたり前後編2本立てにしたりすればよかったのになー、と思いました。

 

まとめ

 

賛否両論な結末について評価が分かれる作品だと思います。
この終わり方を受け入れられない人もたくさんいると思います。

私も結末には肯定寄りですが、全部受け入れられない所もあります。
できれば映司には生存して欲しかったです。
それでも作品からは「オーズを完結させる」といった意気込みを感じました。

作品の評価や好き嫌いは別として、この作品を世に送り出したスタッフ・キャストの皆様の勇気に一ファンとしてエールを送りたいと思います。