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日常思った事やイベント参加の感想を書いていくブログです

シン・ウルトラマンを観てきたので感想  ※ネタバレあり

5月13日(金)、遂にシン・ウルトラマンが公開されました。
2021年公開予定だったのがコロナ禍で延期されようやくの公開となった訳ですが、公開2日目に観に行ってきました。
いつものように感想を書いていきますが、まだ映画を観ていない人は是非先に映画を観に行って頂きたいです。「もう観たよ」「ネタバレしても構わないよ」って方は、よろしければお読み下さい。

 

ざっくりとした感想

凄く面白かったです。
樋口 真嗣、庵野 秀明といった特撮・ウルトラマンが大好きな人達によって初代ウルトラマンを現代の撮影技術でリメイクした作品で、節々からウルトラマンへのリスペクトが伝わってきました。

製作陣がやりたい事を2時間弱にギュッと詰め込んでおり、誤解を恐れずに言うと「シン・ウルトラマン」というテレビシリーズの総集編を観ている感じ。
やろうと思えば本作の設定で1~2クール分くらいのお話が作れるんじゃないかって位
世界観や設定が作られていました。

あの庵野 秀明氏が脚本・監修しているだけあって画面や台詞の情報ががとても多いのですが、エヴァンゲリオンシン・ゴジラに比べると頭の中に入ってきやすかったです。もっとも、私が事前予習でウルトラマン全39話を観ていたからかもしれませんが。

ストーリーは初代ウルトラマンの出来事が現代で起こったら…という内容。
リアルな日本での出来事を描いているためジェットビートルやスーパーガンのような兵器は出てきません。


今作でウルトラマンと主人公の属する禍特隊は5体の禍威獣・外星人、ネロンガガボラ、ザラブ、メフィラス、そして隠し玉のゼットンと戦う事になります(ゼットンは禍威獣とは少し違うのですが)。
公開前は「最低4体は戦うけど2時間弱で十分な尺が取れるだろうか」と不安な所がありましたがテンポよくストーリーが進むおかげで、それぞれ十分な見せ場がありました。

あと「これ見るのに初代ウルトラマン見た方がいいの」って方が居られると思いますが
見なくても楽しめますが見た方が小ネタとかが分かってもっと楽しめます。
全話見なくても解説サイトやケ〇ブンシャの大百科的なのに目を通すだけでもだいぶ違うと思いますので。


節々に見られるリスペクトやパロディ

まず開始直後にウルトラマンのOP冒頭の再現がされていて、
グニャグニャになった画面が変化してシンゴジラと出て、シン・ウルトラマンになります。その後ウルトラQのBGMが流れながら日本で発生した禍威獣事件が画像と文章で表示されていきます。その面々はゴメスやぺギラなどウルトラQの怪獣たち…。

冒頭から「ウルトラQまで拾ってくるのか!」とすごく驚かされました。
その後も透明化するネロンガ原子力を求めるガボラ、街を壊すにせウルトラマン、メフィラスによって巨大化させられるヒロイン…と、製作陣がやりたい事を詰め込むだけ詰め込んでました。

ウルトラマンが戦うシーンも初代原作を意識したような場面が多かったと思います。
中には空中戦など現代だからできる映像表現もあり、55年後に作られたウルトラマンというのを感じさせられました。


登場禍異獣・外星人

ウルトラマン
本作登場のウルトラマン。成田 淳氏原案のカラータイマーが無いデザインで発表時から話題になっていました。エネルギーを消費すると体の赤い模様が緑色になっていくという表現がなされており、このアイデアはよく思いついたなと思いました。
ウルトラマンは最初に地球に来訪した際、禍威獣から子供を守るため命を落とした禍特隊員・神永 新二と一体化します。
(正確には神永に取り憑いて体を借りている状態)
本を読んだりして人間社会の事を理解しようとする様子や、自分を犠牲にしても人類、神永の命を守ろうとするのが文化・価値観の違う宇宙人という感じが出ててよかったです。戦闘シーンでも前傾姿勢のファイトスタイルやスペシウム光線、八つ裂き光輪など初代でお馴染みの戦い方をしっかり披露してくれました。

ネロンガ
本編開始直後に暴れている禍威獣。原作と同じく透明になり発電所を襲って電気を食べていました。最初の敵としてウルトラマンに倒されます。

ガボラ
2体目の敵で、貯蔵施設の核廃棄物を求めて出現。襟をドリル状にして地中を進んでいくというアイデアに驚かされました。あと顔が使途っぽい。
スペシウム光線で倒すと放射能が撒かれて危ないという事でウルトラマンは肉弾戦で倒します。これは原作でも肉弾戦でフィニッシュしたのを意識したのかな。

ザラブ
ザラブ星人が外星人ザラブとして登場。登場時に禍特隊の電子機器を狂わせるのも原作通り(パソコンのデータが消えるというのが現代的で良い)。
神長を監禁後、偽ウルトラマンに変身して暴れまわりウルトラマンの信頼を失墜させようとしますが監禁から脱したウルトラマンに正体を暴かれ、倒されます。
ウルトラマンとの繰り広げる空中戦は見ごたえがあり。

メフィラス
人類にベータシステムの技術(ウルトラマンが巨大化する方法)を渡し外星人からの自衛を提案しますが、本当の目的は「人類はベータシステムを使って兵器転用でき、それを他の外星人に荒らされるまえに自分たちが管理する」というもの。暴力は嫌いというスタンスのもと日本政府と交渉するもウルトラマンと禍特隊に妨害されます。
ウルトラマンとの戦闘中、ゾーフィの姿を見て旗色が悪いと引き上げます。
デザインは勿論、人間体での神永との公園や居酒屋でのやり取りが印象的でした。

ゼットン&ゾーフィ
原作最終話でウルトラマンを助けに来たゾフィーが本作ではゾーフィとして登場
元ネタは昔発売された雑誌の誤植でゾフィーが「ゼットンを操る悪い宇宙人ゾーフィ」として紹介された事から。「こんなネタまで拾ってくるんかい!」と凄く驚きました。

ベータシステムで兵器転用できる人類に危険性を感じゼットンを使い滅ぼそうとします。ゼットンは禍威獣ではなく惑星を滅ぼす超巨大兵器という扱い(メカニカルっぽいデザインで何となくパワードゼットンを思い出しました。カクカクしてるせいかな)。
ウルトラマンゼットンに挑み一度は敗北するものの、禍特隊の協力を得て倒すことができました。ゾーフィも「そんなに地球が好きになったのか」と、最後はウルトラマンの願いを聞き入れます。

それにしてもゾーフィの元ネタ知らない人は「???」てなっただろうな。


ここが気になるかも

全部ベタ褒めというの何なので、ここが惜しいという点も。
禍威獣の解説や状況説明などで時々如何にもアニメ・特撮的なセリフ・言い回しがあったのが少し気になりました(エヴァの作戦会議や状況説明と言えば伝わるかな)。リアルな現代での出来事を描こうとしてる事とのギャップなのでしょうが、「初代ウルトラマンをリアリティのある特撮で」というコンセプト上、初代を意識したセリフもあるしアニメ業界出身の庵野さんもいるからしょうがないといえばしょうがない。というかこの映画自体特撮だもんね。

あと先述の通り、エヴァシン・ゴジラ程ではないけど画面や台詞から入ってくる情報量が多いため人によっては頭がパンクして付いていけない人もいるかもしれないです。

しかしこのセリフ回しや視覚・聴覚から沢山の情報が入ってくるのが庵野 秀明作品(本作では脚本・監修を担当)の見所ですので、これも本作の魅力でもあります。
気になる人はもう一度映画館で観るのも手・・・かも?

 

あと本作では怪獣を禍威獣という字にしていますが、これは怪獣のままがよかったかな。パソコンやスマホの変換出てこないし、記事書く時何度修正した事か・・・(私的理由)。
宇宙人を外星人としたのはよかったです。

まとめ

長々書きましたけど凄く楽しめました。
映画館のスクリーン・音響でもう一度観たいです。
初代ウルトラマンを見た人は凄く楽しめると思いますのでおススメです!