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「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」を観てきたので感想 ※ネタバレあり

先日「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」を観てきました。実写ハガレン最終作という事でどんな作品になるか期待して観に行きましたが…。以下、映画感想です。
※ネタバレあり

 

↓前作感想

syumi-kibou.hatenablog.com

 

 

 

3作目のストーリーや登場人物について

本作は前述の通り実写ハガレンの最終作であり、2作目から直接繋がる内容となっています(2作目はグラトニーに飲まれたエドとリンがエンヴィーと対峙した所で終了)。原作13巻途中頃~27巻までの内容を2時間強の時間に収まるように再構成されています。

登場人物では新たにエドとアルの師匠のイズミさんや北方司令部のアームストロング少将、グリードやスロウス、プライドといったキャラクターが登場します。

 

前作に続きアクションは逸品、演技も前作よりGOOD

前作に続きアクションは逸品ものとなっています。舘ひろしさん演じる大総統キング・ブラッドレイの殺陣や新田 真剣佑さん演じる傷の男(スカー)のアクションは見ごたえがありました。

演技についてもどのキャストも前作より上手くなっていると思いました。今まで演じてきた事の積み重ねに加え、今作はシリアスなシーンが多いためだと思います。
特にエドを演じる山田 涼介さんと前述の舘 ひろしさん、新田 真剣佑さんの演技はすごく様になっていて、原作のキャラクターそのものだと思わされました。終盤の中央司令部での戦いやお父様との決戦はCGや撮影手法も相まって迫力のあるシーンになっていました。寺田 心 くんが演じるセリム(プライド)も嫌なヤツ感が出て中々好きでした。

惜しい点

画面が暗いシーンが多くて見辛い
今作のストーリーは展開上暗い場面のシーン(地下、雪山、夜、トンネルの中など)が多く、そのため画面が暗くて見辛いシーンが多かったです。原作通りの展開ではありますが、もう少し見やすい画面だとよかったな、と思いました。

ストーリーの過程が省略されている箇所多数
前述の通り今作は原作約14巻分のストーリーを2時間弱に納めるために省略されている箇所が多数ありました。
例えばホムンクルスが退場するシーンだと
・グラトニー→原作だと戦闘で消耗したプライドに食われて養分になるのが、戦闘過程なく食われて養分に
・スロウス→イズミさんが加勢に来てすぐ倒される
・エンヴィー→原作だと他の人に変身して動揺をさそったりした末に失敗しマスタングに倒されるのが、マスタングに連続で焼かれて倒される
など、過程を省略して結果だけ描いたような形に。

新規登場キャラもアームストロング少将やイズミさんは兎も角、その他のキャラは出番が少な目。グリードも原作通りリンの体に賢者の石を注ぎ込まれる事で登場しますが、内面を詳しく描く暇もなかったためほぼ居ても居なくても関係ない状態に(自分の能力を説明したりする場面も無し)。

他にもお父様に錬金術を無効化された後に場所移動して普通に錬金術使えてる事に疑問持たなかったりとか、北方司令部に就任したレイブン中将どうなったのとか、アルが前触れなくにプライドに捕まってたとか、正体のセリムが前振りや理由無しにひょっこり現れたりなど、説明や過程がおおざっぱになってる箇所が多々見られました。

あと映画見終わってから気付いたけど、前作で傷の男の回想で登場したキンブリー、今作影も形もございませんでした()。原作だと傷の男と兄を襲った敵でしたが、尺が無かったんでしょうね…。それだったら最初から登場させず、例えば傷の男と兄が死傷した理由をマスタング錬金術の巻き添えを食らったとかにすれば物語上の絡みもあるし上手くアレンジできたんじゃないかな…と思ったり。でもそれはそれでキンブリーファンから怒られるのかなぁ。

ギュッと纏めると「話を上映時間2時間弱の尺に収める条件の基、原作ストーリーを破綻させないよう絶対必要な場面をピックアップして再構築した」感じ。結果だけみれば同じだけどそこに至る過程が大事だったりおもしろかったりするので、何とか過程を描いて欲しかったです。

とは言うものの

しかし予算や製作期間に限りがあるし、役者さんを撮影に拘束できる期間も限られています。パンフレットを読むとコロナの影響でロケができなくなったり、そのために撮影をCGに切り替えたりしたといった苦労もあったそうです。それを考えると、省略&駆け足であるもののストーリーとしては破綻せず纏まっているし頑張っていたと思います。

映画をもう一本増やせば省略された箇所も描けるのでしょうが、前述の通り予算や製作期間に限りがあるし、本数増やせば観客が飽きてくる=興行収入ダウンとなる可能性もあるため、結果としては2部作で纏めるので正解だったと思います。

まとめ

前作以上にストーリーが駆け足で省略されている点が気になりましたが、スタッフやキャストがハガレンの世界を再現するために頑張っているのを感じる事ができる作品でした。「ここがこうだったらな」という箇所は色々あるものの、アクションシーンや演技はよかったですし、前々作、前作と合わせて「ハガレンを実写化する」という課題に正面から取り組んで最適解を出した作品だと思います。
「漫画・アニメの実写化」という事で拒否反応する人もいると思いますが、まずは一度は観て貰いたいですね。

スタッフ・キャストの皆様、錬成(製作)お疲れ様でした!