3歩進んで2歩下がる

日常思った事やイベント参加の感想を書いていくブログです

貞子DXを観てきたので感想 ※ネタバレあり

先日(といっても11月上旬なのですが(汗))、「貞子DX」を観てきました。また貞子(リング)の映画をやる事は知ってたのですが事前にあまり情報収集をしておらず、主演が小芝 風花さん、脚本が仮面ライダーエグゼイドやゼロワンでお馴染みの高橋 悠也さんという事ぐらいしか知りませんでした。
新作映画が作られるたびに賛否の嵐が巻き起こるリング/貞子シリーズ。今回はどんな映画になったのでしょうか。

※以下、ネタバレあり

 

syumi-kibou.hatenablog.com

 

syumi-kibou.hatenablog.com

 

 

 

【あらすじ】

一条 文華はIQ200の大学院生でクイズ番組にも出演する人気者。ある時テレビ番組に出演し、見たら24時間以内に死ぬという「呪いのビデオ」について霊媒師Kenshinと議論する。「呪い」という非科学的な物に懐疑的な文華にKenshinは「呪いのビデオ」のコピーを進呈し、それを妹の双葉が遊び半分で見てしまう。翌日、双葉の目の前に入院しているはずの静岡のおじさんや友人の幻覚が見えるようになる。

文華は呪いを解除するためKenshinに相談しに行き、そこで同じく「呪いのビデオ」を見た自称”王子様占い師”の前田 王司と知り合う。Kenshinに「呪いのビデオ」を除霊してもらい王司は24時間経過後も無事であったが、双葉の呪いは消える気配がない。
文華は呪いの正体がウイルスであると考え、ハッカーの感電ロイドに相談したりビデオをコマ送りしたりしながら解決方法を模索する。そして除霊の際に複数人でビデオを見ていた事から解決方法を「ワクチン接種のように微量のウイルスに感染して免疫を得る」=「他の人と一緒にビデオを見る事」と判断。母親に双葉と一緒にビデオを見るように指示した結果、双葉は助かった。

文華は「呪いのビデオ」の出元がKenshinである事に気付き、王司と共に再びKenshinを訪ねる。しかしKenshinは突然苦しみだし死んでしまう。「呪い」は解除されていなかったのだ。そして文華と王司にも幻覚が見え始める。果たして「呪い」を解除する方法はあるのだろうか。

【感想】

 ・これはホラー映画ではなくコメデイ映画です(酷評ではありません)

呪いのビデオや貞子といったホラー要素はあるものの、基本的にコメデイ・コミカルよりのお話です。分かる方はもっとコミカルになったTRICKを想像して頂ければよいかと。
「ビデオを見たら24時間以内に死ぬ」とか「ビデオの最後に自分の家が映って」…などホラー要素が出てくるものの、コミカルな演出や台詞回しなどが目立ち、最初のリングやらせん、「貞子」のような作品を期待している人からすれば落胆するかもしれません。

しかしコメデイ・コミカル寄りの作品として観ると楽しい作品になっており、飛び降り自殺しようと王司に「そこから飛び降りたらこれだけの衝撃があってすごく痛い」と理論的に諭す文華や、「呪い」のタイムリミット迎える直前で喫茶店で騒ぐ様子、双葉がビデオを見た後に出てくるのが貞子ではなく静岡のおじさんである、亡くなったお父さんが車に貼り付きながら追いかけてくるなど、ギャグやネタに全振りしています。「カメが空飛ぶ映画」の話をしてて、本当にガメラ2のビデオテープが出てきた時には大笑いしました。(多分KADOKAWA繋がり)
ここまで思い切っていると寧ろ痛快なまでであります。「何やっても批評されたり失笑されるんだったら思い切って、見ていて楽しい作品にしようぜ!」という製作陣の声が聞こえてくるようでした。

ストーリー自体も見ていて次はどうなる?という展開が続いていて飽きませんでした。脚本の高橋 悠也さんは仮面ライダーエグゼイドや現在放送中の仮面ライダーギーツでも毎週続きが気になる展開を書かれておられるので流石だなと思わさせれました。(そういえばエグゼイドは仮面ライダーがバグスター「ウイルス」と戦う話でしたね)

 

 ・ウイルス要素とかホラー要素についても

コミカルな部分が目立ち勝ちでありますが「呪いのビデオ」について天然痘と貞子の怨念が結び付いたウイルスであると分析したり、昔は1週間だった呪いのタイムリミットがなぜ24時間になったのか、呪いを解除する方法について考えるなど、原作にあったウイルス関連の要素も取り入れられています。特に昨今の新型コロナウイルスでウイルスへの関心が高まっているため、ここは見ていて楽しかったし考えさせたりした人もいるのではないでしょうか。

最終的なウイルス解除方法がウイルスから逃げるのではなくウイルスを取り込む=「ビデオを見た人は24時間以内に再び呪いのビデオを見る=ウイルスと共存する」というものだったのは面白い方法と思いました(3年峠かな?)。エンドロールではビデオをみた人達が毎日同じ時間にビデオを見るのが習慣化された様子が描かれており、お母さんがお父さんの幻覚にお茶を出したり、飲食店でビデオを見てる人に「あなたもビデオ見たんですか?」と話しかけたりと中々コミカルな雰囲気で大いに笑わさせられて楽しかったです。

ホラー要素についても、ビデオの最後に自分の家が映って終わる、タイムリミットが来たら貞子のいる場所に送られ、髪の毛で首を絞められ井戸に引きずり込まれていくなど、皆無ではありません。呪いのビデオがSNSで拡散されたり、文華が誤った呪いの解除方法をSNSで拡散してしまった後間違いだった事に気付く箇所は現代的な怖さだなと思いました。
エンドロールが終わった後に観客席が映り観客が逃げ惑う場面で映画が終わるのもベタな演出ではあるものの、作中と現実を混ぜたような終わり方はよかったです。

 

【まとめ】

先に書いた通り、コメデイ映画として観ればかなり楽しめました。ホラー映画を期待した人にはガッカリかもしれませんが…。

貞子について近年では「テレビから出てくる怪物」というのがホラーではなくギャグとして取られられる節もあり、加えて始球式に出たりキティちゃんとコラボしたりするといった昨今のキャラクター人気の方向性を考えたら思い切ってこういう風な作風にするのもありではないかと思いました。作中でウイルスが変異していったように、貞子といった存在も時代に合わせて変異していく事が必要なのかなと思わさせられました。

でも時々本当に怖いリング・貞子作品も観てみたいですね。

以上。