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日常思った事やイベント参加の感想を書いていくブログです

「すずめの戸締まり」感想 ※ネタバレあり

タイトル通り、「すずめの戸締まり」を見てきました。
本当は話題になってるから公開して早い段階(昨年11月)で見に行ったんですが、何やかんやで感想書く時間が取れませんでした。
なので少し時間が経ってしまいましたが簡単ではありますが感想を書いておこうかなと思います。

※以下、ネタバレあり

 

 

 

【あらすじ】

九州に住む主人公のすずめはある日、「扉」を探している青年・草太と出会う。草太は「災いの扉(後ろ戸)」を閉じる「閉じ師」だった。すずめの住む町の「扉」を閉じた草太だったが「扉」を封じていた要石・ダイジンによって椅子の姿に変えられてしまう。すずめは草太を元の姿に戻すため、要石だったダイジンを追って「戸締り」をしながら全国を旅していく。

 

【よかった所とか面白かった所とか】

上記の通り、前半は九州をスタートに四国、神戸、東京と全国各地を旅しながら進んでいき、その様子がロードムービーものとしておもしろいです。街並みや風景が丁寧に描かれていて、本当にそこに行った気分になれるような雰囲気になりました。交通手段もフェリーから始まり車のヒッチハイク、新幹線といろんな交通手段で移動していくのがおもしろかった。新幹線に乗ってる時富士山見逃したと悔しがるすずめの様子が年相応でかわいかったです。あと新幹線とかの交通費はスマホで払ってたっぽいけど、スマホ1台あれば九州から東京まで移動できるのすごいなーと感心しました。(現金払いやヒッチハイクもあったりはしましたが)

旅の途中で民宿の娘やスナックのママさんなど色んな人に出会い、その人たちとの交流も暖かいものとなっていました。

エンディングで旅で出会った人達に再会しながら九州に帰って行く様子が描かれていたのもよかったです。

後半は草太を助けるため、そしてすずめが自分の過去と向き合うためにすずめの故郷の東北へ向かいます。車での移動中に流れるカーオーディオの音楽がその場の状況に合わせた楽曲で人物の心情を描いているのが面白いなと思いました。

ストーリーの展開や伏線について、同じ新海誠作品の「君の名は」と比べると主人公2人の入れ替わりや時間のズレによるギミックのような難しい要素が少ないため、ストーリーが頭に入ってきやすかったです。(天気の子は当方未鑑賞)

 

【本作と震災について】

「扉」から現れる”ミミズ”によって起こされる地震について、今まで日本で起こってきた震災を意識しているのは明白です。旅して回ったのも西日本豪雨阪神大震災関東大震災、そして東日本大震災の発生した地域となっており、地震があった事を忘れてはいけないというメッセージが含まれています。

一方で震災を意識にした内容に批判的な声もあります。本作について災害名は語られないものの、東日本大震災による津波被害の跡やその時のすずめの過去といった直接的、かなり踏み込んだ描写があります。自分は幸いな事に震災で故郷や帰る家、家族を失った事はありませんが、震災被害に遭った方や関係者の方には抵抗のある内容かもしれなません。作品としてはすごくおもしろかったし、震災を忘れてはいけないというメッセージ性にも共感する一方、「いつまでも震災を引っ張るのか」「もう忘れさせて欲しい、掘り返さないで欲しい」という考えも理解できます(地震津波の描写入れるなとか、震災について金輪際思い出させるなという意味では無い)。これについてはいろんな考えの人がいるので、各個人で考えるしかないでしょうね。

 

【まとめ】

日本各地を回るロードムービーものとしても、すずめが戸締りをしていくエンターテイメントものとしても楽しめました。震災描写については意見が分かれるかもしれないですが、興味のある方は見て頂きたいです。