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日常思った事やイベント参加の感想を書いていくブログです

シン・仮面ライダー見てきたので感想(※ネタバレあり)

3月17日(金)、シン・仮面ライダーが公開されました。
仮面ライダー50周年企画で発表されてから公開を楽しみにしてきました。
最速上映している映画館がありましたので初日のレイトショーで見てきました。
いつものように感想を書いていきますが、まだ映画を観ていない人は是非先に映画を観に行って頂きたいです。「もう観たよ」「ネタバレしても構わないよ」って方は、よろしければお読み下さい。

 

ざっくりとした感想

初代仮面ライダーの要素を2時間弱に凝縮したような映画でした。
いきなりバイクでショッカーから逃げるシーンから始まり、第1話の蜘蛛男戦をリスペクトしたクモオーグ戦。続いて戦うのはコウモリオーグ、これも第2話リスペクト。続いてはサソリオーグにハチオーグ、終盤にはショッカーライダー・・・。と、初代の要素モリモリでハイスピードでストーリーが進んでいきます。そこに漫画版の設定も加えてきて、情報がいっぱい。庵野作品という事でお馴染みの少し小難しい説明台詞や名称も健在です。

仮面ライダーのデザインも初代を現代風にしつつ、かつあまりかけ離れた物にならないようになっており、変身についても「1号はベルトに風を受けて変身、2号は改良型で変身ポーズを取って変身できる」と、初代をなぞった設定になっているのがよかったです。

オーグ(怪人)も現代風のデザインにしつつ不気味な感じが出ていてよかったです。

 

節々に見られる小ネタにオマージュ、リスペクト

この映画、仮面ライダーを好きな庵野秀明監督による作品なだけにオマージュや小ネタが随所に仕込まれております。序盤のクモオーグ戦がテレビ版をなぞっているのは勿論、変身中は仮面の下が異形の顔になっている、オーグが倒されると肉体が泡状になって消滅していく、2体の生物を合成したカマキリカメレオン、「死神グループ」という名称、仲間になった2号が初変身する際の名乗り・・・等々。しかも映画見た後に漫画版を読み返したら、自分が思っていた以上に漫画版から持ってきているネタが多くて驚きました。もうオマージュが多すぎて、どこまでがオマージュでどこまでが偶然の一致なのか分からなくなりました。見て全部分かった人いるんだろうか。

 

アクションシーンとバイクについて

アクションについて、本作ではライダーは演じる俳優さんがスーツに入って演じられており、また初代ライダーのようなアクションを意識した動きになっており、毎週ニチアサで見ている仮面ライダーとは違って新鮮な気持ちで見る事ができました。

バイクについても、多くのシーンで登場しておりました。近年の仮面ライダーでは法規制などでバイクの登場シーンが減っておりますが、今作ではバイクが存分に登場しており楽しむ事ができました。最初トラックからバイクで逃げるシーンから始まり、1号のバイクを使った変身、1号・2号のチェイスシーン、そして最後はバイクで走っていくシーンで締める等、終始バイクのシーンはどれも良いシーンばかりでした。通常の移動から敵との追走シーンまで、ルリ子を後ろに乗せて走る本郷(ライダー)の絵がバディらしさが出ておりました。

 

個人的に気になった箇所

 ストーリーが機械的に進んでいく

このシーンが撮りたい、こんな演出をしたいというのを優先したのか、ストーリーがハイテンポで機械的・イベント消化的に進んでいった印象でした。中盤まで怪人を倒した→次の怪人を倒しに行く、の繰り返しに加えて説明シーンもチョコチョコ入るので、ハチオーグ戦位まで登場人物への感情移入ができませんでした。尺の関係やテンポが悪くなるとかの理由で削ったシーンも沢山あるんじゃないだろうか。(NHKで放送したドキュメンタリー見ると本編で使用されていないシーンがあったので、遠からずかもしれない)

同じシンシリーズのシン・ゴジラやシン・ウルトラマンだと対策チームの様子(服が臭うってやり取りしてる場面)や避難所の様子、禍特隊の面々が仕事中に愚痴ったり神永が公園や飲み屋でメフィラスとやりとりする場面などがあったので、もう少し日常的な場面を入れて、キャラクター性を掘り下げる場面が欲しかったです。なので野外でコーヒー飲んだりセーフハウスでルリ子が愚痴るシーンとか好きでした。

 終盤戦の画面が暗い

終盤戦のショッカーライダー戦~チョウオーグ戦までの画面が暗くて見辛かったです。
ショッカーライダーが集団で攻めて来るのはテレビ版漫画版ともに有名な展開で盛り上がるし、そこへ2号が駆けつけて蝶オーグ(一郎)最終決戦に臨むのも熱い展開です。なので画面が暗くて見辛いのが余計に惜しく感じました。映像ソフト化した際に少し彩度上げたり明るくした版とか作って欲しいな―。

 

登場人物について

 本郷猛

今までリメイク等含めていろんな本郷猛というキャラクターが出てきましたが、今回は繊細な性格の人物として描かれました。雰囲気が似ているキャラクターとして、碇シンジ君(エヴァンゲリオン)と言えばお分かりいただけるだろうか。ショッカーに意図せず改造された力で他者を傷つける事を恐れるものの、それを克服して戦うようになっていくのは見ていて面白いかったです。あと演じる池松壮亮さんの容姿が仮面ライダーのコスプレをしている若かりし頃の庵野監督に見える気がするのは自分だけだろうか・・・。(眼鏡かけたらもっと似てる気が)

 

 緑川ルリ子

テレビ版・漫画版ともにあまり本筋に関与せず(関与しすぎず)フェードアウトしていったのに対し、今作ではショッカーから脱走→壊滅に動いているとバリバリ本筋に絡むキャラクターに。機械的な性格かと思いきやセーフハウスに文句言ったりハチオーグ(ヒロミ)を説得しようとしたり、その死に悲しんだりと、しっかりヒロインしておりました。

 

 一文字隼人

本作で一番原点のキャラに近そうな人物。原作通りのキザな性格で、ショッカーの手先だったのが洗脳を解かれて仮面ライダー第2号に…、と漫画版をなぞった展開になっておりました。惜しむべくは中盤以降の登場のため、出番が少ない事。実写でも漫画でもいいから、一文字の活躍する続編とか作ってくれないかなー。

 

 サイクロン号

人じゃないけど何となく。本郷の愛車として終始登場、戦いを支えました。近年のテレビシリーズだとバイクシーンが見られないので、移動シーンから戦闘シーンまでしっかり登場・使用されていたのはよかったです。セーフハウスで本郷とルリ子に自走して付いていくシーンが可愛いかったです。ショッカーライダー戦で爆散して本郷が「すまない」と詫びるシーンが悲しいけど好き(バトルホッパーやオートバジンを思い出しました)。趣味がバイクでずっと乗って戦ってたから愛着あったんだろうなー。

 

 政府の男・情報機関の男

本郷とルリ子に情報提供を与える2人組の男性。ずっと名前を明かさぬままでしたが、最後に立花と滝という名(コードネームの可能性もあるが)である事が明かされ、初代仮面ライダーに登場した立花藤兵衛と滝和也をリスペクトしたキャラクターだった事が判りました。
演じる竹野内豊さんと斎藤工さんはシン・ゴジラやシン・ウルトラマンにも出演しており、「もしかして世界が繋がってたりして…」なんて想像をしてニヤリとさせられました。

これについて初代仮面ライダーからして立花藤兵衛を演じた小林昭二さんはウルトラマンにもムラマツキャップとして出演しており、それを意識している可能性もあったりして。その理論でいくと立花を演じるのは西島秀俊さん(シン・ウルトラマンの田村班長)でもいいけど、そうしたら仮面ライダーBLACK SUNの時空も混ざってきてますますカオスな事にちゃうなー?

 

まとめ

素晴らしい作品ではあるものの、人によって賛否両論に分かれる作品だと思います。
初代を意識・オマージュしたアクションや演出を「初代仮面ライダーをリスペクト・意識した作品」として見るか「派手さや盛り上がりに欠ける作品」として見るかで意見が分かれると思います。

ただ、随所から庵野監督の仮面ライダーへの熱意や面白い作品を作りたいという熱意が伝わってくる作品である事は間違いないので、仮面ライダー好きな方には一度見て欲しいなと思います。

 

おまけ:これを見てたらシン・仮面ライダーがもっと楽しめそうなもの

これを見ていればもっとシン・仮面ライダーが楽しめそうなものを紹介しておきます。見てなくても楽しめるし、見る前・見た後どっちの順で見ても大丈夫!


 テレビ版仮面ライダー

言わずもがな初代仮面ライダー。全98話を見るのは時間的・体力的に難しいという方は1号編の13話+2号が初登場する14話・15話まで、可能なら2号編の52話まで見てると楽しめると思います。


 漫画版仮面ライダー

石ノ森章太郎先生による漫画版仮面ライダー。序盤こそテレビ版と同じ展開であるものの、途中で本郷が〇〇されたりと、異なる展開になっております。

前述した通り思った以上に漫画版から拾ってきたネタが多かったです。

文庫版3巻と読みやすい長さなので、読んだことのない方は是非読んで頂きたいです。

 

 真の安らぎはこの世になく-シン・仮面ライダーSHOCKER SIDE-

シン・仮面ライダー本編の前日譚を描くコミック。本作のチョウオーグこと緑川一郎と緑川博士の過去が描かれております。。SHOCKERやプラーナといった設定周りの話も出てくるので、シン・仮面ライダーをもっと楽しもうとするなら読んだ方がいいかもしれない。映画でも登場したクモさんやサソリさんも登場しております。2人ともいいキャラしてるんだなー、これが。

映画を見た後に読んでも色々思い出したりして楽しめるのでおススメです。